高血圧の治療によく使われるカルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースといっしょにとると降圧効果が増大して低血圧を招く危険があります。

これはグレープフルーツに含まれるフラボノイド(色素成分)の一種が、薬を代謝する酵素の働きを弱めてしまうのが原因と考えられています。

一般に薬は、酵素の働きで肝臓や小腸で酸化・還元されて効力を一部失います(代謝)。これが正常な働きですが、酵素の働きが弱いとほとんど代謝されず薬の作用が強く出てしまうという問題がおこってきます。薬は飲んで2~3時間経てば吸収されてしまうのでそのあとにグレープフルーツジュースを飲むのはかまいませんが、グレープフルーツジュースを飲んでしまったら、そのあと十数時間はカルシウム拮抗薬を飲んではいけません。グレープフルーツジュースの阻害作用はかなり長く続きます。阻害作用は、グレープフルーツそのものかフレッシュジュースにあり、果汁還元ジュースにはありません。また、みかんやオレンジには阻害作用はないようです。